省力化補助金とも呼ぶ、中小企業省力化投資補助金(一般型)は、中小企業の売上拡大と生産性向上を支援するため、人手不足に悩む中小企業がIoT・ロボットなどの省力化に効果的な設備を導入する際の費用の一部を補助する制度です。この補助金を通じて、中小企業の省力化投資を促進し、付加価値額と生産性の向上、そして賃上げにつなげることを目指します。
補助対象となる事業
生産・業務プロセスやサービス提供方法の省力化を行う事業が補助の対象となります。

補助を受けるための要件
補助を受けるためには、以下の基本要件3つ(+1つ)を満たす必要があります。
①労働生産性の年平均成長率を4.0%以上増加させること。

②1人あたりの給与支給総額の年平均成長率が、事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上であること。
または、
給与支給総額の年平均成長率を2.0%以上増加させること。

③事業場内最低賃金を、事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準にすること。
2024年度、東京都の場合は時給1,163円、大阪府の場合は時給1,114円です。
※引用元:厚生労働省:地域別最低賃金の全国一覧
④従業員が21名以上の場合、次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表すること。
注意事項
・最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件は上記の基本要件①、②、④のみとなります。
・基本要件②が未達の場合、未達成率に応じて補助金を返還。
・基本要件③が未達の場合、「補助金額/計画年数」で補助金を返還
補助対象者
補助の対象となるのは、日本国内に本社と補助事業の実施場所を有する中小企業等です。
補助対象となる設備
IoT・ロボットなどのデジタル技術を活用した専用設備(オーダーメイド設備)が補助の対象となります。
•オーダーメイド設備とは、ICT、IoT、AI、ロボット、センサーなどを活用し、単一または複数の生産工程を自動化するために、外部のシステムインテグレータ(SIer)専用で設計された機械装置やシステム(ロボットシステム等)のことです。
•汎用設備であっても、事業者の導入環境に応じて周辺機器や構成する機器の数、搭載する機能などが変わる場合や、汎用設備を組み合わせることでより高い省力化効果や付加価値を生み出すことが可能な場合には、オーダーメイド設備とみなされます。
補助金額と補助率

補助上限額は、従業員数に応じて異なり、従業員数が少ないほど上限額が低く設定されています。また、大幅な賃上げを行う場合は、補助上限額が引き上げられます。
•中小企業:補助金額が1,500万円までの部分は1/2(最低賃金引き上げを行う場合は2/3)、1,500万円を超える部分は1/3。
•小規模企業者・小規模事業者、再生事業者:1,500万円までの部分は2/3、1,500万円を超える部分は1/3。
| 従業員数 | 補助上限額 | 大幅な賃上げを行う場合 |
| 5人以下 | 750万円 | 1,000万円 |
| 6~20人 | 1,500万円 | 2,000万円 |
| 21~50人 | 3,000万円 | 4,000万円 |
| 51~100人 | 5,000万円 | 6,500万円 |
| 101人以上 | 8,000万円 | 1億円 |
補助対象となる経費
補助の対象となる経費は、以下の通りです。
•機械装置・システム構築費(必須):50万円(税抜き)以上の設備投資を行う必要。
•技術導入費
•専門家経費
•運搬費
•クラウドサービス利用費
•外注費
•知的財産権等関連経費
スケジュール
申請受付開始以降のスケジュールは、
中小企業省力化投資補助事業のホームページで公開されます。
公募回は年3~4回が予定されています。
第1回
・公募開始:2025年1月30日(木)
・応募申請受付:2025年3月19日(水)~ 2025年3月31日(月)17:00
・採択発表日:2025年6月中旬(予定)

申請方法
申請は、電子申請システムで行います。
申請には、事前にGビズIDプライムアカウントを取得する必要があります。
審査
提出された事業計画書は、外部有識者からなる審査委員会が評価し、より優れた事業計画書を提出した事業者が補助金交付候補者として採択されます。
申請に必要な書類
法人の場合、申請時には、以下の書類が必要となります。
全事業者提出が必要な書類
- 履歴事項全部証明書
- 納税証明書(直近3年分)
- 損益計算書と貸借対照表(直近2期分)
- 法人概況報告書
- 【指定様式】役員名簿
- 【指定様式】株主・出資者名簿
- 【参考様式】事業計画書(その1・その2)
- 【参考様式】事業計画書(その3)
該当する事業者のみ提出が必要な書類
- 【指定様式】事業実施場所リスト(事業実施場所が複数の場合)
- 【参考様式】大幅な賃上げに取り組むための事業計画書(大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例を適用する場合)
- 【指定様式】最低賃金引き上げに係る要件確認書(最低賃金引き上げに係る補助率引き上げの特例を適用する場合)
- 【指定様式】金融機関確認書(金融機関から借り入れを受ける場合)
※本事業に要する経費のうち1円以上借入がある場合は提出必須です。 - 株式譲渡契約書等の各種資料(事業承継又はM&Aを実施して加点を受ける場合)
その他、任意ですが、本事業にて導入予定の機器装置等について、事業計画書に記載した内容を補う資料として、カタログや説明資料等、補足資料があれば添付することが可能です。
大幅賃上げを行う場合の特例
大幅な賃上げに取り組む事業者には、補助上限額の引き上げという特例があります。
特例の適用を受けるには、以下の要件を全て満たす必要があります。
•事業計画期間において、給与支給総額を年平均成長率6.0%以上増加させること。
•事業計画期間内において、事業場内最低賃金を地域別最低賃金+50円以上とすること。
申請を検討されている方へ
中小企業省力化投資補助金(一般型)は、人手不足に悩む中小企業が省力化投資を通じて生産性向上、売上拡大、そして従業員の賃上げを実現するための強力な支援策です。ぜひ本補助金を活用し、企業の成長と発展につなげてください。
お問い合わせ・無料相談
省力化補助金の申請をご検討中の事業者様は、ぜひ当社の専門コンサルタントによる無料相談をご活用ください。
補助金活用のご提案から申請書作成支援までサポートいたします。
中小企業省力化投資補助事業ホームページ: https://shoryokuka.smrj.go.jp/
参考資料
•中小企業省力化投資補助事業(一般型)応募申請の事前準備について
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記事の執筆者
株式会社イチドキリ 代表取締役
徳永 崇志
兵庫県の実家で、競走馬関連事業を展開する中小企業を営む家庭環境で育つ。
岡山大学を卒業後、大手SIerでエンジニアを経験し、その後株式会社リクルート法人営業に携わる。株式会社レアジョブではAIを用いた新規事業の立ち上げに従事し、リリース1年で国内受験者数No.1のテストに導く。株式会社素材図書で役員を務めた後、株式会社イチドキリを設立。中小企業向けに、補助金獲得サポートや新規事業開発や経営企画のサポートをしている。Google認定資格「Google AI Essentials」を2024年に取得済。