東京中小企業振興公社が主催している「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」ですが、2024年10月31日に、この助成金の募集要項が大幅に変更され、申請者の皆様にとって利用しやすくなる反面、新たな競争の激化が予想されます。
以下に、重要な変更点を詳細にご紹介し、申請に際しての注意事項についても解説いたします。
0.採択事例
【採択事例】ヘルスケア特化型BIツールの追加開発による医療データ活用の強化/新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業
【採択事例】全事業所へのストレスチェック義務化を見据えた、UHCのシステム刷新/新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業
1. 変更点の概要
| 変更前(2024年10月30日まで) | 変更後(2024年10月31日から) | |
|---|---|---|
| 受付方式 | 先着順受付 | 全員受付 |
| 交付決定月 | 申請月から2か月後(下旬) | 申請月から3か月後(下旬) |
| 書類審査時の提出資料(法人の場合) | 申請様式 誓約書2種類 履歴事項全部証明書 法人事業税納税証明書 法人都民税納税証明書 決算書【損益計算書】 +見積書等 | 申請様式 誓約書2種類 ※上記以外の書類は書類審査通過後に提出 |
1-1. 先着順受付から「全員受付」へ
変更前
これまでの先着順受付により、限られた時間内での申請が必要でした。この先着制は特に今年9月回の募集で多くの混乱を招き、わずか「6分で締め切り」という事態に。
変更後
今回の変更により、受付方式が「全員受付」に改められました。この変更により、申請期間内であれば余裕をもって申請可能になり、急ぎの準備や提出に追われる心配が減少しました。
1-2. 交付決定月の変更
変更前
申請月から2か月後(下旬)
変更後
申請月から3か月後(下旬)
・第8回(11月申請回)の助成期間は最大2025年2月下旬~2026年2月下旬
・第9回(12月申請回)の助成期間は最大2025年3月下旬~2026年3月下旬
受付人数の増加に伴い審査業務が増大した影響か、交付決定月が延長になりました。 さらに、助成対象期間も最大で「令和25年2月下旬から令和26年2月下旬まで」に拡大されました。助成金の交付が遅くなることで、資金計画の調整が必要な企業もあるかもしれません。
1-3. 申請書類の簡素化
変更前
申請書類は最低7種類と申請者にとって膨大な準備が必要でした。
変更後
必要書類は3種類(申請様式と誓約書2枚)に簡素化。書類審査を通過した後、必要に応じて追加書類が求められますが、基本的には準備の手間が軽減されました。
参考情報:申請スケジュール(2024年10月31日現在)
| 募集回 | 申請受付期間 | 交付決定月 |
|---|---|---|
| 第8回 | 2024年11月1日から11月14日まで | 2024年2月下旬 |
| 第9回(予定) | 2024年12月2日から | 2024年3月下旬(予想) |
| 第10回(予定) | 2025年1月6日から | 2024年4月下旬(予想) |
| 第11回(予定) | 2025年2月3日から | 2024年5月下旬(予想) |
| 第12回(予定) | 2025年3月3日から | 2024年6月下旬(予想) |
2. なぜこの変更が行われたのか? 弊社の考察
あくまで弊社の推測ですが、今回の変更は、9月回の受付が「6分で締め切られた」という状況を受け、多くの企業から運営事務局にクレームが寄せられたことが要因と考えられます。
この「全員受付」方式の導入により、短時間で受付が締め切られることを防ぎ、より多くの企業に申請機会が提供されることが目的です。
また、全員受付となったことで、膨大な数の申請書類が集まると予測され、審査業務の負荷増加に伴い交付決定も1か月遅らせざるを得なかったと推測されます。
3. 競争率への影響と予測
今回の変更によって申請がしやすくなったことから、申請件数の増加が見込まれ、結果として採択率が低下する可能性が高まっています。
4. 申請前に確認すべきポイント
1. 申請タイミング
全員受付となったとはいえ、余裕を持ったスケジュールで申請書類を整備することが大切です。
2. 追加書類の準備
書類審査通過後に求められる追加資料に備えて、準備を怠らないようにしましょう。
3. 資金繰りや事業計画の見直し
交付決定が遅れる点を踏まえ、資金繰りと事業計画を見直すことも重要です。
5. まとめ
今回の「新たな事業環境に即応した経営展開サポート事業」の募集要項の変更は、申請者にとって負担軽減となる一方、採択率の低下が予想されます。申請をご検討中の方は、必要書類の準備をしっかりと行い、タイミングを見計らって申請されることをお勧めいたします。
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記事の執筆者
株式会社イチドキリ 代表取締役
徳永 崇志
兵庫県の実家で、競走馬関連事業を展開する中小企業を営む家庭環境で育つ。
岡山大学を卒業後、大手SIerでエンジニアを経験し、その後株式会社リクルート法人営業に携わる。株式会社レアジョブではAIを用いた新規事業の立ち上げに従事し、リリース1年で国内受験者数No.1のテストに導く。株式会社素材図書で役員を務めた後、株式会社イチドキリを設立。中小企業向けに、補助金獲得サポートや新規事業開発や経営企画のサポートをしている。Google認定資格「Google AI Essentials」を2024年に取得済。