※この記事は令和8年度 展示会出展助成事業 募集要項に基づく情報です。制度の詳細は東京都中小企業振興公社の公式サイトをご確認ください。
「展示会に出展して新規取引先を開拓したいけれど、出展費用がネックで踏み切れない」——そんな都内中小企業の方に朗報です。
東京都中小企業振興公社が実施する「展示会出展助成事業」の令和8年度(2026年度)の募集が開始されました。ToB向け展示会への出展に係る経費を最大150万円(補助率2/3)で助成する制度で、出展小間料だけでなく、チラシ・カタログの印刷費やPR動画の制作費なども助成対象に含まれます。
年10回の公募が予定されており、第1回の申請受付は2026年4月1日からスタートしています。本記事では、助成対象となる経費の詳細から申請要件、スケジュールまでをわかりやすく解説します。
- 展示会出展助成事業とは?制度の基本を解説
- 全4コースの特徴と募集社数
- 展示会出展助成事業の申請要件
- 展示会出展助成事業の対象となる展示会の条件
- 展示会出展助成事業の申請スケジュール
- 展示会出展助成事業の申請に必要な書類一覧
- 展示会出展助成事業に関するよくある質問
- 東京都の助成金申請なら株式会社イチドキリへ
- まとめ:展示会出展助成事業で販路拡大のチャンスを掴もう
展示会出展助成事業とは?制度の基本を解説

展示会出展助成事業は、販路拡大を目的に展示会へ出展する都内中小企業を支援するための助成制度です。東京都中小企業振興公社が実施しており、経営基盤の強化や積極的なPR展開を図る企業の出展費用の一部を助成することで、都内中小企業の振興に寄与することを目的としています。
制度の基本情報は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成限度額 | 150万円 |
| 助成率 | 助成対象と認められる経費の2/3以内(千円未満切捨て) |
| 助成対象期間 | 交付決定日から1年1か月以内 |
| 申請方法 | Jグランツ(電子申請のみ) |
| 公募回数 | 年10回(2026年4月〜2027年1月) |
具体的な助成金額のイメージを、参考例で確認してみましょう。
<参考例①> 出展小間料120万円+装飾費60万円=助成対象経費180万円 → 180万円×2/3=120万円が助成
<参考例②> 出展小間料230万円+装飾費60万円=助成対象経費290万円 → 290万円×2/3=193万円 → 助成限度額の150万円が助成
このように、出展にかかる費用の3分の2が助成され、上限は150万円となります。展示会出展に伴う費用負担を大幅に軽減できる制度です。
全4コースの特徴と募集社数
助成対象となる経費は、大きく「展示会等参加費」と「販売促進費」の2区分に分かれています。なお、「出展小間料」または「EC出店初期登録料」のいずれか(又は両方)の申請が必須です。販売促進費のみの申請はできません。
| 経費区分 | 助成対象経費 | 助成限度額 |
|---|---|---|
| 展示会等参加費 | 出展小間料 | ― |
| 展示会等参加費 | 資材費 | ― |
| 展示会等参加費 | 輸送費 | ― |
| 展示会等参加費 | EC出店初期登録料 | 20万円 |
| 販売促進費 | 印刷物制作費 | 50万円 |
| 販売促進費 | 動画制作費 | 20万円 |
| 販売促進費 | 広告掲載費 | 20万円 |
| 販売促進費 | サイト制作・改修費 | 20万円 |
各項目について、以下で詳しく解説します。
展示会等参加費の内訳
出展小間料は、助成対象となる展示会への出展にかかる小間料です。出展社検索サイト掲載料や来場者データ取得サービス料もこの項目に計上します。オンライン展示会の出展基本料も対象ですが、限度額は20万円です。
資材費は、小間内の装飾委託費や什器・備品のリース代、光熱水費などが該当します。自社・自社商品をPRするポスターやパネルの印刷委託費も対象です。ただし、助成事業終了後も使用できる特注品や資材の購入(タペストリー、社名入りクロス等)は対象外となる点に注意が必要です。
輸送費は、展示品や展示用資材の運送委託費です。自社と展示会場間の輸送に限られ、経由地を含む輸送は対象外です。輸送に含まれる保険料は対象になりますが、保管や梱包に係る経費は含まれません。
EC出店初期登録料は、モール型ECサイトへ初めて出店する際の初期登録料が対象です。限度額は20万円で、初期登録費用のみが対象となり、運用サービスや構築費等は含まれません。
販売促進費の内訳
印刷物制作費(限度額:50万円)は、チラシやカタログなど紙媒体の印刷物の制作委託費です。助成対象期間内に展示会の自社小間内で配布を行うことが条件です。印刷を主要業務とする業者への委託であることが求められ、デザインのみの契約(印刷を含まない契約)は対象外です。
動画制作費(限度額:20万円)は、自社・自社商品をPRするための動画制作の委託費です。対象となる動画は1種類のみで、展示会の自社小間内で放映することが条件です。動画制作を主要業務とする業者への委託が必要です。
広告掲載費(限度額:20万円)は、主催者発行のガイドブックや、出展を周知するための新聞・雑誌への広告掲載費です。対象は広告掲載枠の費用のみで、デザインや素材の制作費用は含まれません。また、広告代理店を介さず、掲載媒体の発行事業者に直接契約する必要があります。
サイト制作・改修費(限度額:20万円)は、自社Webサイトを初めて制作する場合、または既存の全自社Webサイトを全面的に一新する場合の制作委託費です。一部のページのみの更新や追加は対象外となる点に注意してください。また、販売管理システム(予約・決済システム等)の搭載を含む場合も対象外です。
助成対象外となる主な経費
以下の経費は助成対象外です。申請時に誤って計上しないよう注意しましょう。
・交通費、宿泊費、飲食費、駐車場代等の間接経費
・コンサルタント的要素を含む経費(調査・提案・打ち合わせ費用等)
・親会社、子会社、グループ企業等の関連会社との取引に係る経費
・セミナー・講演会等の参加費、懇親会・パーティ参加費
・商品サンプル、パッケージ、試食・試飲に係る経費
・素材のみの制作・購入(印刷や動画制作を含まない契約)
・代理店を介した取引(海外展示会の出展小間料を除く)
・出展しなかった展示会に係るすべての経費(キャンセル料含む)
・ポイントを取得・使用した場合のポイント相当分
展示会出展助成事業の申請要件

展示会出展助成事業に申請するためには、以下の6つの要件をすべて満たす必要があります。
要件①:中小企業者であること
中小企業基本法に定める中小企業者(法人または個人事業者)に該当し、大企業が実質的に経営に参画していないことが条件です。業種ごとの資本金・従業員数の上限は以下の通りです。
| 業種 | 資本金 | 常時使用する従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業、その他 | 3億円以下 | 又は 300人以下 |
| 卸売業 | 1億円以下 | 又は 100人以下 |
| 小売業 | 5千万円以下 | 又は 50人以下 |
| サービス業 | 5千万円以下 | 又は 100人以下 |
要件②:都内で実質的に事業を営んでいること
法人の場合は、申請日時点で東京都内に登記簿上の本店または支店があることが必要です。個人事業者の場合は、税務署に提出済みの開業届により都内所在が確認できることが条件です。加えて、都税事務所発行の納税証明書を提出できることも求められます。
要件③:確定申告書を直近2期分提出できること
法人は法人税申告書、個人事業者は所得税及び復興特別所得税の確定申告書を、引き続く直近2期分提出する必要があります。1期が11か月以下の場合や、休眠・休業期間を含む場合は対象外です。
要件④:所定の経営分析を受けていること
最寄りの都内商工会議所・商工会等で実施する「中小企業活力向上プロジェクトアドバンスプラス」の無料経営分析を受け、本助成事業の利用が有効であると認められている必要があります。この経営分析は申請の前提条件となる重要なステップです。手続きの進め方や受講のタイミングについて不明な点がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
要件⑤:以下のいずれかに該当すること
- 直近決算期の売上高が、1期前と比較して減少している
- 直近決算期で損失を計上している(営業利益・経常利益・当期純利益のいずれか)
- 中小企業活力向上プロジェクトアドバンスプラスの「グロースサポート」の証明書を取得している
要件⑥:その他の要件
同一内容で他の助成を受けていないこと、事業税等の滞納がないこと(分納期間中も不可)、同一年度の申請は一事業者一件であること、などの要件があります。
展示会出展助成事業の対象となる展示会の条件
すべての展示会が助成対象になるわけではありません。助成対象として認められるには、以下の条件をすべて満たす必要があります。
事業者との商談を主たる目的とする展示会であること(ToB向け)。 一般消費者向けの即売会やイベントは対象外です。主催者発行の出展要項に記載された「開催目的」「来場対象者」をもとに判定されます。
主催者発行の出展案内(出展要項)が公開され、公募されていること。 特定の顧客(主催の取引先、協会・組合の会員等)のみを来場対象とする展示会は対象外です。
申請事業者が主催又は運営に携わる展示会ではないこと。 自社の役員・従業員が兼務している法人等が主催・運営に携わる展示会も対象外となります。
申請事業者が主体の出展であること。 共同出展や代理出展は助成対象外です。同一小間内に複数企業で出展する場合や、小間内で他社を紹介する出展も「共同出展」とみなされます。
販売を行わない出展であること。 会場での直接販売を伴う出展は対象外です。
オンライン展示会の場合は、リアルタイムで商談を行えるオンラインシステム(チャット機能等)があり、出展可能期間内に会期の定めがあることが条件です。契約・販売を可能とするシステムが実装されている場合は対象外となります。なお、出展予定の展示会が助成対象となるかについては、申請書類等により総合的に判定されるため、申請前に公社から個別に回答を得ることはできません。
展示会出展助成事業の申請スケジュール
令和8年度の申請受付は全10回が予定されています。各回の最終日は16時が締切です。
| 回 | 申請受付期間 | 交付決定日 | 出展開始 | 事業終了 |
|---|---|---|---|---|
| 第1回 | 4/1(水)〜4/14(火) | 6/1(月) | 7/1(水) | R9 6/30 |
| 第2回 | 5/1(金)〜5/14(木) | 7/1(水) | 8/1(土) | R9 7/31 |
| 第3回 | 6/1(月)〜6/15(月) | 8/1(土) | 9/1(火) | R9 8/31 |
| 第4回 | 7/1(水)〜7/14(火) | 9/1(火) | 10/1(木) | R9 9/30 |
| 第5回 | 8/1(土)〜8/14(金) | 10/1(木) | 11/1(日) | R9 10/31 |
| 第6回 | 9/1(火)〜9/14(月) | 11/1(日) | 12/1(火) | R9 11/30 |
| 第7回 | 10/1(木)〜10/14(水) | 12/1(火) | R9 1/1(金) | R9 12/31 |
| 第8回 | 11/1(日)〜11/16(月) | R9 1/1(金) | R9 2/1(月) | R10 1/31 |
| 第9回 | 12/1(火)〜12/14(月) | R9 2/1(月) | R9 3/1(月) | R10 2/28 |
| 第10回 | R9 1/1(金)〜1/14(木) | R9 3/1(月) | R9 4/1(木) | R10 3/31 |
<スケジュールの参考例> 第2回に申請する場合の流れは以下の通りです。
- 申請締切:2026年5月14日
- 交付決定:2026年7月1日(※交付決定日以降に契約・発注が可能に)
- 事務手続き説明会に参加:2026年7月9日(参加必須)
- 出展可能期間:2026年8月1日〜2027年7月31日
申込方法
申請は、国(デジタル庁)が提供する電子申請システム「Jグランツ」でのみ受け付けています。持参・郵送・メール等による提出は受け付けていません。
Jグランツを利用するには「GビズIDプライム」アカウントの取得が必要です。国の審査によりID発行まで時間がかかるため、余裕を持って準備してください。
申請概要書などの指定様式は、東京都中小企業振興公社の事業ページからダウンロードできます。
展示会出展助成事業の申請に必要な書類一覧
申請に必要な書類は「必須書類」と「申請内容により提出する書類」に分かれます。
必須書類(全員が提出)
| 書類名 | 内容 | 入手先 |
|---|---|---|
| 申請概要書 | 公社指定様式 | 公社Webサイト |
| 経営分析報告書 | 中小企業活力向上プロジェクトアドバンスプラスの報告書 | 都内商工会議所・商工会 |
| 履歴事項全部証明書等 | 法人:発行後3か月以内の原本/個人:開業届の写し | 法務局/各自保管分 |
| 自社の会社案内 | 事業内容を説明する資料(任意様式) | 各自作成 |
| 納税証明書 | 法人事業税・法人都民税等の納税証明書(原本) | 都税事務所等 |
| 確定申告書類(2期分) | 法人税申告書一式/所得税確定申告書一式 | 各自保管分 |
申請内容により提出する書類
| 書類名 | 必要になる場合 |
|---|---|
| 証明申請書(グロースサポート) | 要件⑤の「グロースサポート」で申請する場合 |
| 展示会の出展要項等 | 出展小間料を申請する場合 |
| ECサイトの出店登録要項 | EC出店初期登録料を申請する場合 |
| 現在の全自社サイトの全ページ | サイト制作・改修費を申請する場合 |
| 要求仕様書 | サイト制作・改修費を申請する場合 |
提出書類はPDFファイルを推奨しており、Jグランツにアップロード可能な1ファイルあたりの容量は16MBです。マイナンバーが記載された書類は、該当箇所をマスキング処理してから提出してください。
展示会出展助成事業に関するよくある質問
Q1. 申請前に、出展予定の展示会が助成対象になるか確認できますか?
確認はできません。展示会が助成対象に該当するかどうかは、申請書類等により総合的に判定されるため、申請前に公社から個別に回答することはできないとされています。出展要項に記載された開催目的や来場対象者などの情報をもとに判定が行われますので、募集要項に記載された条件と照らし合わせて事前にご確認ください。
Q2. 同じ年度に複数回の申請はできますか?
同一年度の申請は一事業者につき一件に限られています。ただし、年10回の公募が実施されているため、出展したい展示会のスケジュールに合わせて最適なタイミングで申請することが可能です。なお、前年度(令和7年度)に本助成事業の交付を受けている場合は、助成金の入金完了後(入金の翌日以降)または事業中止の承認を受けていることが申請の条件となります。
Q3. 本店が都外で、都内には支店のみですが申請できますか?
申請可能です。法人の場合、東京都内に登記簿上の本店または支店があり、都内で実質的に事業を営んでいれば申請できます。ただし、都税事務所発行の「法人事業税及び法人都民税の納税証明書」を提出できることが条件です。「都内で実質的に事業を営んでいる」とは、登記簿謄本に記載された都内所在地において、客観的に都内に根付く形で事業活動が行われている状態を指します。
Q4. 他の補助金・助成金と併用できますか?
同一の展示会・同一の経費について、公社(他事業)・国・都府県・区市町村等から助成を受けている場合は申請できません。また、交付決定後も同一内容で他の助成を受けることはできません。ただし、異なる展示会や異なる経費項目であれば、他の補助金・助成金制度との併用は可能です。併用を検討される場合は、各制度のルールを事前に確認することをおすすめします。
Q5. 交付決定前に展示会の出展申し込みをしても大丈夫ですか?
小間の申込(契約)については、助成対象期間前に行っていても助成対象となります。ただし、展示会の会期(出展)と支払いは助成対象期間内に完了する必要があります。一方、小間料以外の経費(資材費・輸送費・販売促進費等)については、助成対象期間前の発注・契約は対象外となりますので注意してください。出展したい展示会の申込期限が交付決定前に来る場合でも、小間の申込だけは先行して行えるという仕組みです。
東京都の助成金申請なら株式会社イチドキリへ
株式会社イチドキリは、中小企業庁認定の経営革新等支援機関として、着手金0円・完全成功報酬で補助金・助成金の申請を徹底サポートしています。エンジニア出身の代表を含むプロフェッショナルチームが、書類作成から獲得まで一貫して伴走します。
展示会出展助成事業については、「経営分析をまだ受けていないが、どう進めればいいか」「出展予定の展示会が対象になるか不安」「申請書類の作成に不安がある」といったご相談にも対応しています。
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2026年度の東京都の助成金全般について知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
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まとめ:展示会出展助成事業で販路拡大のチャンスを掴もう
令和8年度「展示会出展助成事業」について解説しました。最後にポイントを振り返ります。
- 都内中小企業のToB展示会出展費用を最大150万円助成(補助率2/3)
- 出展小間料に加え、印刷物・動画・広告・サイト制作費も助成対象
- 年10回の公募があり、出展スケジュールに合わせて申請タイミングを選べる
- 申請には都内商工会議所等での「無料経営分析」の事前受講が必須
- Jグランツでの電子申請のみ。GビズIDプライムアカウントの早めの取得を推奨
展示会への出展は、新規取引先の開拓やブランド認知の向上に直結する有力な販路拡大手段です。本助成事業を活用して、コストを抑えながら積極的な展示会出展に取り組んでみてはいかがでしょうか。
記事の執筆者
株式会社イチドキリ 代表取締役
徳永 崇志
兵庫県西脇市出身。岡山大学教育学部出身。大手システムインテグレーターでエンジニアとしてのキャリアをスタートし、その後、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に携わる。株式会社レアジョブではAIを用いた新規事業の立ち上げに従事し、リリース1年で国内受験者数No.1のテストに導く。株式会社素材図書で副社長兼執行役員を務め、事業再構築補助金を活用した新規事業開発・立ち上げを担当。その後株式会社イチドキリを設立。現在は経済産業省(中小企業庁)認定の経営革新等支援機関として、システム開発に特化した補助金コンサルティング事業を運営。 2016年に「基本情報技術者試験」合格、2024年にGoogle認定資格「Google AI Essentials」、厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」取得。
