※この記事は2026年3月30日に公開された東京都報道発表資料に基づく速報情報です。制度の詳細は東京都中小企業振興公社の公式ポータルサイトをご確認ください。
2026年度(令和8年度)の新規事業として「DX推進トータルサポート事業」を開始することが発表されました。
本事業は、アドバイザーによるDX戦略やAI活用計画の策定支援に加え、デジタル技術を活用した機器・システム等の導入経費を助成する制度で、DX推進に向けた「相談から導入・活用まで」を一貫して支援する総合支援プログラムです。
全4コース・計40社の募集で、募集期間は2026年4月6日(月)〜5月8日(金)。本記事では、各コースの特徴、助成金の限度額・助成率、募集スケジュールを速報でお届けします。
- DX推進トータルサポート事業とは?2026年度の新制度を解説
- 全4コースの特徴と募集社数
- 助成金の概要|コース別の助成限度額・助成率まとめ
- 募集スケジュールと申込方法
- DX推進トータルサポート事業に関するよくある質問
- 東京都の助成金申請なら株式会社イチドキリへ
- まとめ:DX推進トータルサポート事業は都内中小企業にとって大きなチャンス
DX推進トータルサポート事業とは?2026年度の新制度を解説

DX推進トータルサポート事業は、東京都と(公財)東京都中小企業振興公社が2026年度(令和8年度)から新たに実施する支援制度です。中小企業の生産性向上や競争力の強化、そして持続的な賃上げ環境の整備を目的としています。
本事業の最大の特徴は、「アドバイザー派遣(無料)」と「助成金」の2つの支援が一体となっている点です。
アドバイザー派遣では、DXやAI活用に知見のあるアドバイザーが企業を直接訪問し、現状の課題抽出からDX戦略・AI活用計画の策定、デジタル技術の導入検討、導入後のフォローアップまでを一貫して支援します。この支援にかかる費用は全額、東京都・公社が負担するため、企業の自己負担はありません。
助成金では、アドバイザーが作成した「提案書」に基づいて、デジタル技術を活用した機器・システム等の導入に必要な費用の一部が助成されます。コースに応じて助成限度額は最大5,000万円、助成率は最大4/5と、非常に手厚い制度です。
対象は東京都内に主たる事業所をおく中小企業者等で、全4コースが用意されています。
人手不足の深刻化や国を挙げての賃上げ推進が進む中、中小企業のDX推進を「戦略策定」から「技術導入の資金面」まで一気通貫で支援する本事業は、2026年度の東京都における注目度の高い支援制度のひとつです。
全4コースの特徴と募集社数
DX推進トータルサポート事業には、企業のDX推進段階やテーマに応じた4つのコースが設けられています。まずは一覧表で全体像を把握しましょう。
| 項目 | ①生産性向上コース | ②-1 DXステップアップコース | ②-2 DXアドバンスコース | ③AI活用コース |
|---|---|---|---|---|
| 取組テーマ | 生産性向上 | DX戦略策定・推進 | DX戦略実現・企業変革 | AIの日常的な活用 |
| 募集社数 | ※6月・10月に募集予定 | 20社 | 10社 | 10社 |
| 支援回数 | 最大18回(16ヶ月間) | 最大32回(1年度目12回・2年度目12回・3年度目8回) | 最大24回(1年度目12回・2年度目12回) | 最大24回(1年度目12回・2年度目12回) |
| 目標 | 1〜2年後を見据えた経営課題解決 | 5〜10年後のビジョンに基づく長期的な変革 | 5〜10年後のビジョンに基づく長期的な変革 | AI時代を見越した日常的なAI活用 |
| 範囲 | 特定業務〜全社的 | 全社的 | 全社的 | 全社的 |
| 企業の作成書類 | なし | DX戦略書 | なし | なし |
今回の募集対象は、DXステップアップコース(20社)、DXアドバンスコース(10社)、AI活用コース(10社)の計40社です。生産性向上コースは6月・10月頃に別途募集が予定されています。
以下、各コースの詳細を解説します。
①生産性向上コース(6月・10月に募集予定)
生産性向上コースは、ICT・IoT・AI・ロボット等のデジタル技術を活用して、経営課題を解決したい企業向けのコースです。
支援回数は最大18回(16ヶ月間)で、特定の業務から全社的な取り組みまで幅広く対応します。1〜2年後を見据えた具体的な課題解決がゴールとなるため、「まずは目の前の業務をデジタル化したい」という企業に最適です。
取組事例:
- AIチャットボットの導入で、24時間365日の問い合わせ対応を実現したい
- 仕入れ・在庫を一元管理できるシステムを導入し、経営状況をリアルタイムで把握したい
- 老朽化した基幹システムをリプレイスし、現在の事業に合った運用体制を構築したい
※生産性向上コースは今回の募集対象外です。2026年6月頃と10月頃の2回に分けて募集が予定されています。
②-1 DXステップアップコース(20社募集)
DXステップアップコースは、DX戦略をまだ策定していない企業が、経営理念・ビジョンを踏まえたDX戦略書を完成させることを目指すコースです。
支援回数は全コース最多の最大32回(1年度目12回・2年度目12回・3年度目8回)で、最大3年度にわたる長期支援を受けることができます。DX戦略の策定支援に加え、デジタル技術の導入・活用、経営層のDX推進力の育成まで包括的にサポートします。
こんな企業におすすめ:
- DXに取り組みたいが、何から手をつけたらいいか分からない
- 社内にDX推進体制を構築したい
- 自社の強みや課題を掘り下げ、DXへの取り組み方針をまとめたい
なお、本コースではアドバイザーの支援を受けながら、企業自身が「DX戦略書」を作成します。5〜10年後の経営ビジョンに基づく全社的な変革を目指す、本格的なDX推進のためのコースです。
②-2 DXアドバンスコース(10社募集)
DXアドバンスコースは、DX戦略やIT戦略をすでに策定済みの企業が、その戦略を実行に移し、企業変革を実現するためのコースです。DX認定取得企業等が主な対象となります。
支援回数は最大24回(1年度目12回・2年度目12回)で、ビジネスモデルの変革や新サービスの開発など、DXの実現フェーズに焦点を当てた支援を受けることができます。
こんな企業におすすめ:
- DX戦略は策定したが、実行段階で壁にぶつかっている
- IT戦略のKPI達成や企業変革の進捗状況を確認する方法が分からない
- DX戦略と経営ビジョン・事業戦略とのつながりに不安がある
ステップアップコースが「戦略を作る」フェーズであるのに対し、アドバンスコースは「戦略を実行して成果を出す」フェーズの支援に特化しています。
③AI活用コース(10社募集)
AI活用コースは、AI時代の到来を見越し、先進的なAI技術を日常業務に取り入れたい企業向けのコースです。
支援回数は最大24回(1年度目12回・2年度目12回)で、AI活用計画の策定から社内リテラシーの向上、先進的なAI技術の導入・活用までを一貫して支援します。
取組事例:
- 業務進捗をAIが監視しタスクを自動配分するシステムを導入し、判断の停滞を解消したい
- 財務と現場の全データをAI上に統合し、データ駆動型経営へ移行したい
- AIを活用した新サービスの開発やマーケティング活動の自動化に取り組みたい
なお、AI活用コースは他のコースと異なり、応募時に事業計画書等の提出が求められ、書類審査を経て採択される仕組みです。先進的なAI活用の事例創出を目指すコースであるため、ある程度具体的なAI活用の構想を持った上で応募する必要があります。
助成金の概要|コース別の助成限度額・助成率まとめ

DX推進トータルサポート事業では、アドバイザー派遣を受けた企業を対象に、デジタル技術の導入・活用に必要な費用の一部を助成する制度が用意されています。コース別の助成限度額・助成率は以下の通りです。
| コース名 | 助成限度額(通常) | 助成限度額(大幅賃上げ枠) | 助成率(通常) | 助成率(賃上げ計画策定) |
|---|---|---|---|---|
| DX推進コース(ステップアップ・アドバンス) | 3,000万円 | 5,000万円 | ー | 3/4以内(小規模 4/5以内)※ |
| AI活用コース | 2,000万円 | 3,000万円 | 2/3以内 | 3/4以内(小規模 4/5以内) |
| 生産性向上コース | 1,500万円 | 2,000万円 | 1/2以内(小規模 2/3以内) | 3/4以内(小規模 4/5以内) |
※DX推進コースでは、賃金引上げ計画を達成できなかった場合の助成率は2/3以内となります。
助成期間は全コース共通で2年間です。
特筆すべきは、大幅賃上げ枠を活用した場合のDX推進コースの助成限度額です。最大5,000万円という金額は、東京都の中小企業向け助成金の中でもトップクラスの水準です。システム導入やAI活用に向けた大規模な投資を検討している企業にとって、非常に魅力的な制度といえるでしょう。なお、助成金の申請にはアドバイザーが作成する「提案書」が必要です。提案書はアドバイザー支援の中で作成されるもので、提案書の内容に基づいたデジタル技術の導入経費が助成対象となります。つまり、助成金を単独で申請することはできず、まずアドバイザー派遣を受けることが前提条件となる点にご注意ください。
募集スケジュールと申込方法
今回募集されるのは、DXステップアップコース・DXアドバンスコース・AI活用コースの3コースです。募集スケジュールは以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 募集開始 | 2026年4月6日(月) |
| 募集締切 | 2026年5月8日(金) |
| 申込方法 | 公社ポータルサイト内の利用申請フォーム |
| 審査 | 応募内容に基づく審査あり |
今回の募集枠はDXステップアップコース20社、DXアドバンスコース10社、AI活用コース10社の計40社です。生産性向上コースは6月頃と10月頃の2回に分けて別途募集が予定されています。支援を受けるには応募内容に基づく審査を通過する必要があります。募集社数が限られているため、検討中の企業は早めの準備をおすすめします。特にAI活用コースは事業計画書の提出が求められるため、申請準備には一定の時間を見込んでおきましょう。
DX推進トータルサポート事業に関するよくある質問
Q1. アドバイザー派遣の費用はかかりますか?
いいえ、アドバイザー派遣は全コース共通で無料です。派遣にかかる費用は東京都・東京都中小企業振興公社が負担するため、企業の自己負担はありません。現地調査・診断からトータル支援まで、すべて無償で利用できます。
Q2. 助成金だけを利用することはできますか?
いいえ、助成金を単独で申請することはできません。助成金の対象となるのは、アドバイザー派遣を受けた企業のみです。アドバイザーが作成する「提案書」の内容に基づいたデジタル技術の導入経費が助成対象となるため、まずアドバイザー支援を受けることが前提条件となります。
Q3. 自社にどのコースが合うか分かりません。どう選べばいいですか?
各コースの選び方の目安は以下の通りです。
- まずは目の前の業務をデジタル化したい → 生産性向上コース(6月・10月募集予定)
- DX戦略をこれから策定したい → DXステップアップコース
- DX戦略は策定済みで、実行フェーズに進みたい → DXアドバンスコース
- AI技術を業務に本格導入したい → AI活用コース
なお、企業のDX推進段階に応じて、まず生産性向上コースで基盤を整え、その後ステップアップコースやAI活用コースに進むといった段階的な活用も想定されています。
Q4. 本店(本社)が都外にあり、都内には支店のみですが申請できますか?
申請可能です。都内の事業所に固定電話と本店又は支店を有している中小企業者等が対象となります。
Q5. 他の補助金(ものづくり補助金・IT導入補助金等)と併用できますか?
同一の補助対象経費について国や他の補助金と重複する申請はできませんが、異なる経費や異なる用途であれば他制度との併用は原則として可能です。ただし、併用にあたっては各制度のルールに基づく確認が必要ですので、事前に専門家に相談されることをおすすめします。
東京都の助成金申請なら株式会社イチドキリへ
株式会社イチドキリは、中小企業庁認定の経営革新等支援機関として、着手金0円・完全成功報酬で補助金・助成金の申請を徹底サポートしています。エンジニア出身の代表を含むプロフェッショナルチームが、書類作成から獲得まで一貫して伴走します。
DX推進トータルサポート事業については、助成金の申請支援はもちろん、「どのコースが自社に合うのか分からない」「申請準備を進めたいが何から着手すべきか」といったご相談にも対応しています。
募集締切は5月8日(金)です。検討中の方はお早めにご相談ください。
2026年度の東京都の助成金全般について知りたい方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
▶ 【2026年度】東京都のDX・システム開発に使える助成金まとめ
まとめ:DX推進トータルサポート事業は都内中小企業にとって大きなチャンス
東京都の2026年度新規事業「DX推進トータルサポート事業」について、速報でお届けしました。最後にポイントを振り返ります。
- 2026年度の新規事業として、東京都がDX推進を総合的に支援する新制度が始動
- アドバイザー派遣は全コース無料。課題抽出からデジタル技術導入後のフォローまで一貫支援
- 助成金は最大5,000万円(大幅賃上げ枠適用時)。コースに応じて助成率は最大4/5
- 全4コースで、DX未着手の企業からDX戦略策定済みの企業、AI活用を推進したい企業まで幅広く対応
- 募集期間は2026年4月6日〜5月8日。計40社の枠に対して早めの行動が重要
無料のアドバイザー支援と助成金をセットで受けられる本事業は、DX推進に取り組みたい都内中小企業にとって大きなチャンスです。「DXを進めたいが、どこから着手すべきか分からない」という企業こそ、まずはこの制度の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
記事の執筆者
株式会社イチドキリ 代表取締役
徳永 崇志
兵庫県西脇市出身。岡山大学教育学部出身。大手システムインテグレーターでエンジニアとしてのキャリアをスタートし、その後、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に携わる。株式会社レアジョブではAIを用いた新規事業の立ち上げに従事し、リリース1年で国内受験者数No.1のテストに導く。株式会社素材図書で副社長兼執行役員を務め、事業再構築補助金を活用した新規事業開発・立ち上げを担当。その後株式会社イチドキリを設立。現在は経済産業省(中小企業庁)認定の経営革新等支援機関として、システム開発に特化した補助金コンサルティング事業を運営。 2016年に「基本情報技術者試験」合格、2024年にGoogle認定資格「Google AI Essentials」、厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」取得。
